キューアンドエー株式会社
代表取締役社長 金川 裕一

早稲田大学卒。1982年(株)横河電機製作所(現:横河電機)入社。オフィス機器営業部に配属。また新事業企画室で約20社の新会社設立に関わる。一方、労働組合で書記長なども歴任。
営業企画室を経て、1996年、企業内ベンチャー制度にて、横河マルチメディア(株)設立、代表取締役社長に就任。現在事業統合、商号変更を経た、キューアンドエー株式会社の代表取締役社長を務める。
企業発ベンチャー協議会理事。
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新規事業を成功させる、一番のポイントは何か? と聞かれれば、即座に「営業」と答えるでしょう。
これまで、いろいろな会社の起業をみてきましたが、どんなに良い製品を開発しても、どんなに良いビジネスモデルを考え出しても、「営業」すなわち受注が取れなければ、成功しないのは当たり前です。
ところが、良い製品を開発すればお客様から勝手に買いに来てくれると誤解している人や、ビジネスモデルなど良い仕組みを考え出した時点で勝ち誇ってしまう、勘違いをしている起業家や新規事業提案者をよくみかけます。
さらに言えば、社長もしくは事業の責任者は、その会社あるいは事業の中で、最も優秀な営業マンでなければならないと思います。誰よりも情熱を持ち思い入れのある商品を、他人に売らせるだけではなく、自らが率先して営業に出向いて開拓していく姿勢は、絶対になくてはなりません。
まがりなりにも私が責任者として12年間生き残れたのは、私がたまたま営業しか出来なかったからだと思っています。とにかく、親会社の名前や人脈をたどって自ら営業に行きました。会社としてお客様の要求に応えられるだけのものがなくても、お客様に対して決してノーと言わずに注文をとってきてしまいました。
おかげで、現場の社員は当初本当に苦労していましたが、お客様の要求に応える努力をしていくうちに会社の力もついてきました。当社は、パソコンやインターネット関連の訪問サポートがメインの事業ですが、月間訪問実績1,000件の頃、いきなり1万件規模の案件を取ってきた時、社員から
「私たちを殺す気ですか!」
と言われました。
しかし、ピーク時で4万件の対応力がついたのち、あるとき件数が3万件まで下がると、今度は社員から
「もっと注文を増やしてくださいよ!」
と、逆に尻をたたかれてしまいました。
このように、会社力はまさにストレッチしながら増していくものであり、ちょうど良い具合の注文量のなかでは問題も起きませんし、その問題を解決していく知恵も生まれてきません。
そういう意味からも、起業当初の会社、あるいは新規事業の営業担当が、会社の力量を気にしすぎて営業しているようでは大きくブレイクはしないでしょう。会社力をつけていく源泉は営業にあるのです。営業が常に会社を引っ張っていく、そして営業が起点になって事業を展開しないと会社は発展していかないでしょう。
トップ=最高の営業マン、これが理想的なベンチャーのあるべき姿です。
次回は今回の続きで、当社の「一人の営業マンの奇跡」をご紹介します。
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