キューアンドエー株式会社
代表取締役社長 金川 裕一

早稲田大学卒。1982年(株)横河電機製作所(現:横河電機)入社。オフィス機器営業部に配属。また新事業企画室で約20社の新会社設立に関わる。一方、労働組合で書記長なども歴任。
営業企画室を経て、1996年、企業内ベンチャー制度にて、横河マルチメディア(株)設立、代表取締役社長に就任。現在事業統合、商号変更を経た、キューアンドエー株式会社の代表取締役社長を務める。
企業発ベンチャー協議会理事。
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企業内ベンチャーを立ち上げる上で、初めの頃に苦労した、というか精神的に参ったのが周囲の雑音です。
雑音と言ってしまうのは失礼なのですが、現場で懸命に頑張っている状況では、自らが欲さない限り、外からの助言や指示はどうしても耳障りになってしまいます。
会社設立当初、私は37歳で管理職ではありませんでした。それまでの親会社の歴史において、関連会社の社長になる人間が管理職でないことなど、あり得なかったのです。
組合員が突然社長になってしまったのですから、周りの僻みやヤッカミは結構ありました。
「あれは社長の道楽だ」
「社長が退任すればなくなるぞ」
など、陰だけではなく、面と向かって言われたことも多々ありました。
私としては、立ち上げた事業に集中したかったのですが、大きな企業になるといろいろな人間がおり、噂話や風評は尽きません。なおかつ立ち上げ当初は、当然ながら経営として苦戦していました。数字は思うように上がりませんし、周りからはいろいろ言われ、精神的にかなりきつい期間がありました。
このようなことからも、企業内ベンチャーや、新規事業の立ち上げ責任者に必要な要素の一つとして、精神的なタフさがあると思います。泰然自若、何事にも表向きには動じず、いつも笑顔で居られるかどうかは大事なポイントです。
私はその当時、よく経営状況の報告でトップを伺ったのですが、いつも言われたのは
「こんなに経営状態が悪いのに、おまえは一向に顔色が悪くならないし、痩せないなあ。それはおまえの特技だ」
ということで、馬鹿にされているのか褒められているのか、よくわかりませんでした。
今になって思い起こしてみると、精神的なタフさは人よりも少し優っていたのかもしれません。
私はその後、辻さんというスポーツメンタルトレーナーと出会い、いかに自らの気持ちを一定に穏やかに保つことが大切か、を教えていただきました。
よく、
「ポジティブシンキングが大事」
と言われますが、それと同時に、
「分っているけれどなかなかできない」
という声を耳にします。
しかし、日常で起きているあらゆる出来事に対して、
・マイナスの捕らえ方をしないこと
・それをを一つ一つ実行していくこと
・それを繰り返しトレーニングすること
により、自然とポジティブシンキングが身についてきます。
今でも嫌なことは毎日あります。耳障りなことも日々起きます。そんな中でも自分の考えをしっかり持ち、自分をコントロールする力を身につければ、必然的に経営にも良い影響が出てくると感じています。
他人は変えられませんが、自分はコントロールできます。
「精神的なタフさを身につけること=セルフコントロール力」
だと思いますし、これは特に企業内起業家には必要ではないかと思います。
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