キューアンドエー株式会社
代表取締役社長 金川 裕一

早稲田大学卒。1982年(株)横河電機製作所(現:横河電機)入社。オフィス機器営業部に配属。また新事業企画室で約20社の新会社設立に関わる。一方、労働組合で書記長なども歴任。
営業企画室を経て、1996年、企業内ベンチャー制度にて、横河マルチメディア(株)設立、代表取締役社長に就任。現在事業統合、商号変更を経た、キューアンドエー株式会社の代表取締役社長を務める。
企業発ベンチャー協議会理事。
Home > 企業内ベンチャー徒然コラム > 2010年07月 > コラム詳細
さて、最近のニュースを見ていると日本企業のものづくりが益々弱まってしまっているように思えてなりません。
原子力開発では韓国企業に入札で負ける、新幹線誘致でも中国のほうが有利、電気自動車では出遅れる、デジタル機器ではサムソンに後塵を拝するなど技術立国日本はどこに行ってしまったのかと感じてしまいます。
政府の政策に問題があるのは確かです。あまりにも高い法人税は企業に重荷になり、グローバル競争する企業からは本社移転を真剣検討しているという声も聞かれます。
しかし私が一番問題と思うのは、日本の優秀な技術者が前述の国や企業から高い金額でオファーを受け、そこで活躍していることにあります。例えばアップルのipodの主要デザイナーは日本人ですし、サムソンの技術開発にはたくさんの日本人が活躍しているとのことです。
技術者にとってみれば、高給を出してくれる企業に魅力を感じるのは当然のことながら、海外の企業には日本の企業にない技術者をわくわくさせる魅力をもった企業が多くあります。これでは、日本企業のものづくりの根幹となる技術が流出してしまうため、日本全体の技術に関する地盤沈下が加速してしまいます。イコール輸出に頼る国の国力が堕ちていくのは自明の理です。
今、大河ドラマ「龍馬伝」が大人気です。
当時の若者達は如何にすれば諸外国からの侵略を免れ、日本国を立て直すことが出来るかを真剣に考え、勉学にも励んでいました。お金や地位や名誉ではなく、国に対する忠誠心、ロイヤリティの高さが彼らには大いにありました。
しかし現在の日本は、残念ながらグローバル経済の名の下に人材まで輸出してしまう国になってしまったのです。
いつからこんな国になってしまったのでしょうか?
企業においても同様のことが言えます。
確かにお金や地位や名誉は大事です。しかし、それ以上にこの企業で働くことに自分としての価値を見出せるか、意味があるのかなどを真剣に考え、ロイヤリティの高い人材を育てていかなければなりません。
企業力として重要なノウハウや技術を、そこで働く人材の流出によって失われることがないように、技術者にとって魅力ある企業とはどんな企業なのかを一から考え直す必要があるのです。
相互信頼、相互理解の下、ロイヤリティの高い企業風土、文化を育むことが、今、企業にとって何よりも求められているのではないでしょうか。