愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授

1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。
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私は実は競争が大嫌いです。
他人、他者との間で比較競争優位を作ることは、
「そこに優劣を生み、その結果として、勝ち組、負け組の格差を生む。」
ことに繋がり、
「その結果として混乱の火種を生む。」
ことになりかねないと私は感じています。
もちろん、
「競争をしながら切磋琢磨し、全体のボトム・アップを図ること。」
は大切であり、競争そのものを否定するものではありません。
また、
「熱心に努力し、働く者が比較競争優位を作り、その中で適正な見返りメリットを受けること。」
も否定しません。
しかし、その一方で、
「競争をしつつも、全体のバランスを意識した協調の心が分かること。」
も同じように大切であり、
「競争と協調が共に分かること。」
が今のビジネス社会に於いて、倫理観を持ち、秩序ある社会システムを構築、維持していく上からも、重要な基本姿勢の一つであると私は考えています。
従って、
「他人に勝つ為だけの競争、比較競争優位」
といったものを、例えば、国家論や経営論の中で議論、単純に展開していくといった考えは私にはありません。
そしてまた、ゼロサムの世界で、
「勝ちか負けか。」
を議論するよりも、上述した通り、むしろ、
「全体のボトムを引き上げる、底上げ議論」
に関心があります。
しかしながら、そうした一方で、世界には間違いなく、
「パワーバランス的なものの見方」
が残っており、その中では、必ずといってよいほど、よく、比較競争優位が語られます。
そして、それは例えば、政治・外交力や軍事力といったものはもちろん、経済的な国力を議論する場合でも、しばしば議論されるものであり、こうしたケースでは、
*経済のパフォーマンス
*政府の効率性
*企業の効率性
*インフラストラクチャーの整備状況
について大項目を立てた上で、これに関わる小項目を細分化して立てて、採点、その上で比較競争優位をランキングしていくといった作業がしばしばなされます。
またここでは、通常、絶対評価的な概念ではなく、相対評価的な概念から物事が判断、評価される傾向が強く、出てきた結果は、相対比較によりランキングといった形で示されるケースが主流であります。
しかし、私はこうした調査、分析についても、他者と自分の相対比較に於いて優れている点、劣っている点を認識した上で自分の向上のために、他者へのアドバイスのために、こうした相対比較の結果を活用し、全体のボトム・アップに繋げるという結果の利用の仕方も十分にあり得ると考えています。
これからは、何とか、世の中を良くしていくための、
「競争」
というものを考えていきたいと思います。
皆様方は、どのようにご覧になられていますか?
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