プロフィール

愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授
愛知淑徳大学ビジネス学部 真田幸光 教授
1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。

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真田幸光教授の「世相を斬る!」
現代の辻説法師、愛知淑徳大学ビジネス学部教授の切れ味鋭いコラム

もしも、私が経済政策担当者であれば

2009年5月18日
自動車メーカー関係者のお話

今週は大手自動車メーカー関係の方と様々なお話を致しました。

こうした中、特に印象に残った話は、
「現場主義は大切であるという。
 その通りである。
 しかし、それは現場で何が起こっているのか、仮説を持って現場に行くべきである。
 そうしないと、単なる視察に留まってしまう。
 仮説を持っていけば、その仮説と現場の状況が異なっている場合には、何がどのように違うのかを分析し、真実をよりはっきりと見極められることになるのである。」
とのコメントでありました。

自動車関連業界の視察

さて、自動車業界では今、世界的規模で見た業績不振、米国ビッグ3の再建対応と業界再編の動き、そして世界的な自動車メーカーであるトヨタ自動車の大きな赤字発生など、厳しい見方が強まる中、
「環境対応車であるハイブリッドカーの販売が好調であり、回復の兆しが見えている。」
との明るい話題が出、これを基にして自動車関連業界のいくつかの会社を、現場視察してみました。

意外な反応とその原因

私は当然に皆さん、明るい対応をしてくださると思っていたのですが、実際には、
「もちろん、一頃よりは改善、よくなってはいるがーーー。」
との反応。そして、
「やはり、従来型の大衆車の販売回復が見られないと、本格回復は望めない。」
と仰るのです。

それは何故?ヒヤリングの結果では、
「それは、やはり生産ラインの中枢は大衆車にある。
そしてまた、ハイブリッドカーは通常の大衆車に比べて部品数が少なく、よって、ハイブリッドカー販売拡大の波及効果が限定的である。」
といったところに原因の一つがあるようです。

ハイブリッドカー好調の背景

今回のハイブリッドカー販売好調の背景には、
「日本政府が示した減税措置」
があるものと思いますが、こうしたことを考えると、日本政府の取るべき策としては、こうした減税措置に加えて、ハイブリッドカーに限らず、車の買い替えに対しては減税措置を取る、或いは中古車の出来る限りの高価格での買取が出来るよう、ハイブリッドカーではない既存車型中古車を、世界的規模で売買ができるような二次市場の拡大に関する支援、といったことを日本政府が対応措置として取っていくことも、
「現段階では」
必要不可欠であり、その結果としては、今はハイブリッドも既存の大衆車も、販売拡大が見込めるような政策対応をしていくことが、必要ではないかと思います。

もしも、私が経済政策担当者であれば?

そして、こうした一つの事例を意識しつつ、
「もしも、私が経済政策担当者であれば?」

冒頭の大手自動車メーカー関係者のお言葉にもあるとおり、
「とにかく現場に行く。
 しかし、やみくもに現場に行くのではなく、現状に関する一つの仮説を持って現場を訪問、その上で、その仮説と実態の違いを見極め、より正確なる現状認識をする。
 そして、現状の改善すべき点を見定め、その改善策をいくつか考案した上で、最も効果が上がるであろう改善策を実際に遂行して、結果をレビューする。」
ことを心掛けたいと思います。

実際に、こうした行動パターンを取っている経済政策担当者が多いとは思いますが、更にこうしたことを心がけ、日本の更なる発展に向けた政策立案をしていくことが、重要ではないかと私は考えています。

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