愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授

1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。
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私は様々な企業や自治体の方々とのご縁の中で生きています。
そうした中、先日は川崎市の中堅経営者の方々とお話をし、また、その翌日には、川崎市の情熱職員の方のご紹介で、川崎市の日本理化学工業さまを訪問させて戴きました。
会長(たまたま、電車の中の吊り広告を見ておりましたら、雑誌・WEDGE6月号のトップランナーで会長は紹介されているようです。)との話し合い、今後の経営戦略に関する意見交換と工場見学をさせて戴きましたが、この訪問の中で強く感じたことは、
「崇高なる理念に基づいた企業経営の徹底」
であり、その上で、
「企業を存続させていく経営手腕の高さ」
を感じ、更にそうした民間企業の経営理念と戦略を側面サポートされる、情熱行政マンのサポートの重要性を強く感じたのでありました。
この企業は、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、最近ではマスコミにも大きく取り上げられているが如く、
「従業員の7割が知的障害者であり、その人々がダストレスチョーク(粉の出ないチョーク)などを主として製造・販売する会社」
であります。
そして、これまでのマスコミ報道の切り口は、
「障害者を雇用してとても素晴らしい。」
という視点からのものでありましたが、私は、
「それもそうであるが、それ以上にこの会社には素晴らしいものがある。」
と感じました。
つまり、この会社は一部の皆さんが指摘されるような、
「知的障害者を安い賃金で働かせて、彼らが作れる程度の製品群を安価良質で生産販売するような会社」
では決してありません。
例えば、会社の中で新製品の研究開発にも努められ、最近では、この会社は、
「幼児教育には不可欠な創造性、子供たちにその創造性を生み出すための一つの幼児玩具として役立つ製品となる、ガラスにも書けてぬれた布で簡単に消せる『キットパス』」
などを製品開発されています。
この『キットパス』は、幼児の五感を刺激するお絵かき教育に役立つものとして教育界でも注目されつつあるものであり、幼児に、「美しい」「きれい」「やさしい」といった心を植えつけていくにも役立つものであります。
更にまた、ぬれた布ではないと消しにくいという、この商品が抱える「不便さ」を解消すべく、現在、産学官連携の中で乾いた布でも消せるような、更なる製品開発にも努めており、文字通り、企業努力を重ねる素晴らしい企業であります。
私の見るところ、この会社は、原材料調達、生産能力などには特段の問題点はなく、あとはこうした製品を如何に上手に販売拡大していくかという点にあり、
「幼児教育に役立つということをもっと分かりやすく、かつ端的に、しかもその効果を客観的に示す方法」
を考えつつ、皆様方のお役に立つような商品販売を展開し、その結果として、
「消費者に喜んでいただき、その喜びの対価としてこの会社が売上高を伸ばせるようにすること」
でありましょう。
この会社の会長は、
「おあしが出ないという障害を持った神様であるえびす様のお陰で、障害者によって支えられてきた当社は新製品の開発にも成功してきている。
これからも、そうした心を忘れず頑張りたい。」
と仰っていました。
私はこうした出会いの中で、正に日本の強さ、日本企業の強さの背景を改めて感じました。
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