愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授

1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。
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今週は仕事の関係で福井を回り、また名古屋に戻り仕事をしていましたが、そんな中、街角でちょっとした二人の玄人に接しました。
一人目は、自家用車のガス欠寸前に飛び込んだガソリン・スタンドの老主人。
小奇麗ではあるものの、何の飾り気も無いこざっぱりとしたガソリン・スタンド。
ガス欠で飛び込んだので、とにかくガソリンさえ入れられればと思ったのですが、その老主人、
「この車だと満タンは50リットル、先ほどの走り具合からすると、多分10リットル位は残っているよ。」
と予言、そして給油出来た量は38.5リットルと見事にそれを当てました。また私の車を見て、
「新車なのにどうしてこんなにボディーが傷ついているの?もしかしたら、まめに車を拭いている?」
と聞くのです。私は、
「えっ、ボディーが傷ついている?」
と不思議に思いながら、
「車の汚れが気になるのでよく拭く。」
と答えると、今度は、
「家はマンション?」
と聞くので、
「そうだ。」
と答ええると、
「やはり。車を拭くときにマンションだと水で流してから拭いていないでしょ?そうであると、今のこの黄砂の時期、車のボディーに付いた砂をこすりつけながら、車を拭くので、サンド・ペーパーで車を磨いているようなものですよ、それでは。すぐにやめなさい。」
とずばりアドバイス。
確かに車をよーく見ると、ボディーが傷ついているのです。
更に、車を見て、
「まだ買って6ヶ月くらいの車のようだけれど、ガソリン・スタンドに入ってきた車の音を聞いた感じではエンジン・オイルをまだ一回も取り替えていないでしょ?」
との一言、私は何故分かるのか?と思いつつ、
「その通りです。」
と答え、エンジン・オイルの汚れを改めて確認、その後、私はエンジン・オイルの交換とソフト・ワックス洗車をしてもらうことにしました。
すると、実に丁寧、かつ迅速に作業をしてくれ、車はとても気持ちのよい状態になりました。
聞くと、老主人がこの地にてガソリン・スタンドの営業を始めてから既に37年、この周辺には最盛期には10数店舗のガソリン・スタンドがあったそうですが、そのほとんどが今は閉店、このスタンドのように営業を続けているのは珍しいくらいだそうであります。
また、今週は、私のもう一つの愛車?!であるママチャリ(自転車)のタイヤの空気を入れる部分が壊れ、いくら空気を入れてもすぐに抜けてしまうという状況になりました。
そこで、大型スーパーの中にある自転車屋さんに行くと、若い店員さんがネクタイを締めて前のお客さんの応対をしていました。
遠めにはハンサムながらも若いちょっと見・優さ男で、
「これで自転車なんか上手に扱えるのかなあ。」
と思うような店員さんでした。
ところがどうして!!私が様子を話すと、すぐにその原因を細かく解説してくれた上で、
「すぐに自転車を持ってきてください。ここで直します。」
と親切に言ってくれ、そのお言葉に甘えて、自転車を持ってくると、なんとてきぱきと、あっという間に修理終了!!そしてその修理のお代金はたったの100円。
「優さ男なんて思ってごめんなさい。」
と思いながら、その若き店員に大いに感謝しました。
こんな人たち、何処にでもいるのかもしれませんが、少なくとも私の認識では、彼らのような、
「本物のプロ、玄人」
が減っているのではないかと感じています。
そんな中で、偶然にも一日に、
「気持ちのいいプロフェッショナルな仕事をする老人と若人の玄人」
に会い、更にその二人のさわやかな笑顔を見て、とても気持ちのよい一日を終えました。
品物、サービスを、質を高く、安定的に、そして品格のある極力消費者にも喜んでもらえる安価な適正価格で提供する玄人が増えることこそ、真のものづくり大国・日本にとってはとても大切であるとも感じました。
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