プロフィール

愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授
愛知淑徳大学ビジネス学部 真田幸光 教授
1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。

過去のコラム
その他のコンテンツ

 

真田幸光教授の「世相を斬る!」
現代の辻説法師、愛知淑徳大学ビジネス学部教授の切れ味鋭いコラム

もしも私がマスク製造企業の経営者であったら

2009年06月02日
高い倫理観

私は常々、学生たちに、
「ビジネスに於いても倫理観の高い人物となり、行動をしなさい。」
と語っています。

ビジネスは信頼から

倫理観を定義することは難しく、人によって、企業によって、業界によって、或いは国によって、その倫理観そのものに違いがあるかもしれませんが、しかしそれでも私は、
「ビジネスは信頼から始まる。
信頼のないところでは、商行為すらスタートしない。」
と伝えた上で、世界に共通する倫理観を考えるときには、
「常にご縁を大切にする。
ご縁を大切にするために、常に相手の立場に立って考え、相手のことを思いながらビジネス行為をしなさい。」
とも伝えています。

マスクの消えた日

さて、最近では例の新型インフルエンザの影響で町の薬局からマスクが消えてしまいました。

予防のためにはマスクをとマスコミが伝えていることもあり、マスクを買い求めようと思っても、肝心のマスクがありません。

お医者さんも一日、一枚のマスクを使いっぱなしとも聞くほどの品薄、メーカーは生産が追いつかず大変な状況になっているとも聞きます。

マスク製造業者にとっては、こうした状況は、売り上げ拡大の一つのチャンス、時期とも捉えられ、またこうした経営者の中には、人に口に出しては言わなくとも、
「儲けた!!」
と内心思っている人もいるかもしれません。

もしも私がマスク製造企業の経営者であったら

しかし、私は思うのです。

もしも、私がマスク製造企業の経営者であったなら、今後もこうした状況が続くかどうかはもちろん不明であり、一時的な儲けのチャンスでしかないのなら、むしろ、ここではそうした儲けは考えず、社会還元を意識して、
「出来る限りたくさんの製品をむしろ原価に近づけてマージンを薄くした上で出荷、その際に、きちんとした公平な流通ルートに載せてもらえるように、例えば、可能であれば行政を関与させつつ、不可能であれば、きちんとした流通をコミットしてくれる民間企業を通じて販売し、ここではわが社としては儲けない。」
という姿勢を貫きたいと思います。

目先の儲けより

こうすることは、本来は儲けられる期待利益を自ら放棄、喪失することではありますが、平時ではない出来事を背景に単発で儲けることを私は良しとしません。

また、その期待利益の喪失を今後、取り戻せるかどうかも分かりませんが、そのようなことは期待せず、従業員とその家族、また株主に対して、わが社は社会にお役に立つことをしているという誇りを持ってもらいたい、そしてそれを納得してもらい、我が経営理念を貫く努力をしていきたいと思います。

甘いと言われようとも

米国流の経営方法、或いは私の生きていた国際金融のビジネス志向からすると甘いかもしれません。

しかしそれでも、我が企業が倒産しないよう、最低限の防衛をしつつ、その経営理念を貫いていく、そうした経営者になりたい、また私はそうした経営者を徹底的に支援していきたいと思います。

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