プロフィール

愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授
愛知淑徳大学ビジネス学部 真田幸光 教授
1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。

過去のコラム
その他のコンテンツ

 

真田幸光教授の「世相を斬る!」
現代の辻説法師、愛知淑徳大学ビジネス学部教授の切れ味鋭いコラム

ベンチャー企業の可能性

2009年6月22日
挑戦と伝統と

私は、人と言うものは挑戦をし、その結果として様々な変化をしていくことを、とても大切なことであると考えています。

もちろん、その過程では、

「よき伝統を守る、よいものを守り続けていく。」

という歴史を大切にする意識を忘れてはならないとも考えています。

ビジネス世界変革の旗手として

こうした考えの下、鳥瞰図的、複眼的に物事を見つめ、冷静なる分析を行い、現状認識をした上で、課題を抽出、変えるべきものは何かをきちんと見出し、問題解決の戦略を策定して挑戦、変革を促していくということは、人類がよりよき世界を構築していくために、とても大切なものであるとも考えています。

そして、ビジネスの社会で、挑戦をしてビジネス世界を変革していく旗手の一人としては、やはりベンチャー企業家たちを挙げられるのではないかと思います。

新しい息吹

ベンチャー企業家が増えることによって、ビジネス社会に新しい息吹を吹き込んでいくことは、

  1. ビジネス社会の底辺拡大の可能性を広げる。
  2. 新たな雇用機会を創造する可能性を広げる。
  3. 新たな納税企業を創造する可能性を広げる。
  4. 新たな技術開発、ビジネス・モデルを創造する可能性を広げる。
  5. ビジネス社会のプレーヤーたちに、新たな夢と勇気を与える。

といった効果を生み、社会の更なる発展に大いに役立つと私は考えています。

そして、日本政府もこうした考えを持っていると私は認識しており、例えば経済産業省などは文部科学省などと協力をして、ベンチャー企業家の育成を進めていこうと注力をしているものと思います。

寄らば大樹の陰

ところで、私も、私が勤めている大学で、このベンチャー企業家を育てる講義を担当しているのですが、最近の若人たちには、

「挑戦の勇気と変革の心意気」

にやや欠けているのではないかと感じています。

そしてまた、進取の精神に欠ける中、むしろ、

「寄らば大樹の陰」

的な保守的、安定志向をする若人が増え、特に、

「優秀といわれる人材ほど保守的安定志向」

を選好してきているのではないかと感じます。

本来であれば、優秀な人材ほど、失敗してもリカバリーが利くはずであり、積極的に挑戦、社会を変革していく旗手となって欲しいのですが、どうも今の日本の世の中はそうした状況とは反対の方向に動いているように思います。

そしてまた、これらベンチャー企業を育てるはずの世の中の多くの投資家たちも保守的安定志向を強め、リスク対比リターンの感覚に薄いため、ベンチャー企業には、結果として、十分な資金供給がなされていないのではないかとも感じています。

ベンチャー企業が育ちにくい背景

こうした背景もあって、日本は現在、ベンチャー企業が育ちにくい環境にあると言えるのでしょうが、それらを更に詳細に見ていくと、日本では、

  1. そもそも起業家自身の起業スキルが欠如している。
  2. 世界に冠たるベンチャー企業が無く成功事例が欠如している。
  3. ベンチャー企業を育てる風土に欠け、特にエンジェルが欠如している。
  4. ベンチャーキャピタルが少なく、またベンチャーキャピタル自身の資本も欠如している。
  5. ベンチャー企業を育てる新興株式市場に機関投資家が欠如している。
  6. ベンチャー企業に対する投資のEXIT POLICYの中心は企業公開中心であり、M&Aの比率が低い。

といった状況が見られ、正にベンチャー企業が育ちにくい環境にあるものと思います。

積極的にトライを

日本が更に強く発展していく国となるためには、

「挑戦と変革を恐れず、積極的にトライしていく国」

になることが不可欠であると私は考えており、何として、こうした状況を改善していきたいと思っています。

知恵を絞って、技術大国・日本の基礎の一つをベンチャー企業から、という社会を実現したいと思います。

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