愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授

1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。
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昨今では世界経済は景気の底を打ったと言われています。
特にアジアは中国本土やインドの経済成長を背景に他の地域に先立ち、回復傾向が早いと言われています。
こうした中、また、アジア開発銀行(ADB)は、東アジア新興国・地域の経済見通しの中で、
「既に最悪期を脱し、回復軌道に乗った。」
との見方を示しています。
そして、注目の中国本土経済については、
「大規模な景気刺激策や金融緩和の効果が表れている。
本年の成長率見通しを従来の7%から上方修正する可能性がある。」
とコメントしています。
最新の見通しでは経済成長率の修正は見送り、将来の修正可能性だけを示していますが、中国本土については、1~6月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期対比7.1%伸びたことを踏まえて、
「年後半に向け、より強い回復軌道を描いている。」
ともコメントしています。
しかし、こうした一方で、中国本土経済は本年度の8%成長は間違いないとの予想が示される中、4兆人民元の景気刺激策主導の回復で、消費もまだら模様、輸出の落ち込みも戻っていない、銀行貸出は既に年間予定の1.5倍を貸し込み、一部は株や不動産に回っているようで、海外からのホットマネーも再び流入し、株価、不動産価格とも急騰、いわゆる、
「バブルの兆候が見られている。」
とも言われています。
更に、
「政府系エコノミストは、10月の建国60周年パレードまでは様々な意味でネガティブな発言は禁止との通達を受けている。」
といった噂もあると聞いており、こうした中で、失業問題が地域で顕在化しつつあることなどを考えると、やはり、
「中国本土経済が世界経済の新たな牽引車である。」
と認識するのは時期尚早であると思われます。
アジアの街角ではこのように様々な話が飛び交っていますが、今後もこうした話にも耳を傾けながら、
「各国政府が発表する見解」
との整合性を図って分析を続けていきたいと思います。
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