プロフィール

愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授
愛知淑徳大学ビジネス学部 真田幸光 教授
1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。

過去のコラム
その他のコンテンツ

 

真田幸光教授の「世相を斬る!」
現代の辻説法師、愛知淑徳大学ビジネス学部教授の切れ味鋭いコラム

総合的なものづくり大国

2009年09月14日
情報技術イノベーション財団

ちょっと古い話になりますが、2009年2月25日に米国のシンクタンクである情報技術イノベーション財団(ITIF)は、世界各国の技術革新と競争力に関する評価報告を発表しました。

これによると、シンガポールが1位であり、我が国・日本は9位となっていました。

そして、その成長率を見る過去10年間の成長度合いでは、なんと中国本土が1位にランクインしています。

国ごとの評価順位

ITIFはベンチャーキャピタルの投資状況、科学研究、研究開発費、教育などの各分野について、世界40の国と地域の技術革新と競争力を評価し、こうしたデータを示したものでありますが、首位はシンガポール、以下、スウェーデン、ルクセンブルク、デンマーク、韓国、米国、フィンランド、英国、日本及び北米自由貿易協定(NAFTA)地域と続いています。

前述しましたように、成長性では第1位の中国本土は33位に留まっていますが、1999年から10年間の成長度合いではトップにあり、以下、成長性でも高い可能性を持つシンガポール、これに続いて更に、リトアニア、エストニア、デンマーク、ルクセンブルク、スロヴェニア、ロシア、キプロスと続き、その次に日本が入っているようであります。

一方、注目の米国は、過去10年間で最も成長度合いが少ない国家と評価されている点は注目されます。

日本の目指すべき方向

さて、こうしたデータを見るにつけ、私が感じることは、

「天然資源に乏しく、それを人財でカバーし、国家の発展を推進しなくてはならない日本は、シンガポールのように技術革新に向けて不断の努力をしなければならない。」

ということであります。

「世界が生きていくために必要とする、水、食糧、原材料、エネルギーなどの分野で、人々が必要とするものやサービスを安価で安定的に提供できる国家となり、正当な対価を得て、日本国民全体が生きていけるような静かで徳のある国家」

を目指し、そのために技術革新にまい進しないと、日本は、

「世界が必要とする国、世界が尊敬する国」

にはなれない、そうなれないと、今後、日本の経済力を中心とする国力が低下すれば、日本は世界から軽視される存在になってしまうと私は危惧しています。

だからこそ、日本は国力に余裕のある今のうちに、技術革新にまい進しなくてはならないと思います。

総合的なものづくり大国

そして、その際にまた、大切なことは、

「技術革新は単なる理科系的な技術だけでなく、如何にして、安定的な原材料を確保するか?どのような製品であれば世界のニーズは高いか?どうしたら物流コストは安くなるか?といった文科系の力も加味した、総合的なものづくり大国」

となって、

「世界が必要とするものを、安価・安定的に供給する、世界に貢献するものづくり大国・日本」

を目指していくべきであると考えています。

教育システムの改善

従って、こうした日本の根幹を支えていく上からも、

「真のものづくりの意味を分かる理科系、文科系の逸材」

を養成していくことが大切であり、

「一騎当千」

の人材を育成していくための、ある意味、

「エリート養成」

も一方で進めつつ、低年齢層から、

「ものづくりの楽しさ、即ち、図画工作や理科を軸にこれを体系化していく文科系的なスキルやノウハウを同時に教育していく、新型ゆとり授業を構築する。」

といった教育システムの改善も必要になっていくと私は感じています。

皆様方は如何、お考えになられますか?

注目の企業にインタビュー!