愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授

1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。
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今週はソウルの街角からご報告です。
といっても、ここでも日本人のお話であり、また先週と似たお話でもあります。
さて、その背景や、日本の国力がある、ないといった議論は別にして、結果として、為替レートが大きく米ドル安・円高に振れている中、韓国でも日本人観光客の数は間違いなく増えているそうで、私の見た中でも、ソウル市内、明洞、南大門、景福宮といった観光名所には、台湾人や中国人と共に多くの日本人観光客の姿が見られます。
そうした中でも圧巻は、日本人中年女性数人グループの観光客で、実に逞しい(決して上手ではない!!)韓国語を駆使して、
「旅の恥は掻き捨て」
といった様子で、あちこちのお店で(本当に各所で!!)、大きな声を出しながら、商品の値引き交渉とその後の高笑い、道行く韓国人通行人たちの邪魔をしていることも全く気がつかぬ様子、道行く人にぶつかっても気がつかず、そのまま通り抜け、慎ましい日本人の姿はソウルでも忘れられているようです。
そして、そうしたお店の若い韓国人男性店員に聞くと、
「最も手ごわいお客は今や日本人アジュマ(=オバタリアン?!)、続いて韓国人アジュマ」
とのことでありました。
こうしたことは決して、大したことではなく、小さなことといってしまえばそれまでなのですが、かつて、日本人男性が韓国に来てお行儀が悪く大きな恥をさらしたのに続いて、今度は日本人女性の評判も実はソウルの中でじわじわ低下、そこへ、今回は日本政府が戦前の韓国人強制労働者に対する年金の支払いを、戦前の貨幣単位に合わせた金額である99円の提示したとのニュースがソウルの街を駆け巡り(日本ではあまり報道されなかったようですが、韓国のマスコミでは何度も報道されていました。)、韓国人はしぶーい目で日本人を見、一方、そうしたニュースなどは露知らぬ日本人観光客は、更に旅の恥は掻き捨てスタイルでソウルの街を闊歩するものですから、日本人の私にとってはあまり心地よいソウル市内散歩とはなりませんでした。
もちろん、ソウルの街の人々も、お金を落としてくれる日本人のことを表面では悪く言うことはなく、また露骨に悪い対応もしませんが、今回は改めて、
「世界に於ける日本のあり方、日本人のあり方」
といったことを考える機会となりました。
日本は高い技術と、そして何よりも崇高なる理念を世界に対してきちんと輸出、連鎖できる国となり、尊敬されるような国とならなくてはなりませんよね。
いや、決して崇高なる理念を輸出しなくても良いので、少なくとも、他国で人にご迷惑をかけるようなことは止めないといけませんよね。
私は多くの日本文化について、基本的には肯定的に考えますが、
「旅の恥は掻き捨て」
といった考え方だけはどうしても戴けない、知らぬ街に行ったときこそ、むしろ、凛とした「日本人」を示していくべきではないかと感じました。
皆様方はどのようにお考えになられますか?
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