プロフィール

愛知淑徳大学
ビジネス学部・研究科
真田 幸光 教授
愛知淑徳大学ビジネス学部 真田幸光 教授
1957年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京銀行入行。1998年愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション研究所・助教授。2004年4月より現職。
著書に「アジアの国、日本」など多数。また、NHKクローズアップ現代などTV・ラジオ出演、論文・雑誌寄稿、講演をマルチにこなす、現代の辻説法師。
信条は、最小の効果を挙げる為に最大の努力を惜しまぬ人間たれ。

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真田幸光教授の「世相を斬る!」
現代の辻説法師、愛知淑徳大学ビジネス学部教授の切れ味鋭いコラム

もしも、私が総理大臣・国土交通大臣・法務大臣であったなら

2010年3月 8日
Crisis Made in Japan

私は、真のものづくり大国・日本の構築が平和的国家体制の下、日本と世界が共存できる最良の姿であると考えています。

ところが、そうした視点で現状の国際社会による「対日評価」を見ると、米国で最近、盛んに言われている、

「Crisis Made in Japan」

といった言葉、そしてそれから発生する国際社会的雰囲気が大変に気に掛かっており、このままでは、日本の国力を大きく殺ぐような事態とはならないかとても心配しています。

特に、この事態の源となった「トヨタ問題」は、穿った見方と言われるかもしれませんが、

「政治・社会的に米国離れをしようとしている日本に対する米国からの一つの警告、その暗示」

とも受け止められ、或いは、

「世界の主要産業である自動車産業の国際スタンダードを、このままではハイブリッドに奪われる、即ち、トヨタやホンダに奪われることを嫌った米国の政治的動きが背後にある。」

とも見られ、こうした声が今後拡散することも考えられると私は見ています。

豊田社長の英断

こうした中、先般は、トヨタ自動車の豊田社長が自ら、米国議会に出席をし、しっかりとした答弁をしたことを私は素晴らしいと見ていますが、それに対して、心無い米国のマスコミは、

「通訳を連れた豊田社長は慎重に受け答えする歌舞伎役者のようであった。」

と極めて失礼な表現を米国全土に向けて発しており、こうした報道の仕方を、そしてこの問題が表面化し始めた昨年からの米国内の報道を、私は行き過ぎた、即ち、米国民の感情を煽るような報道ではないかと見ていました。

既に行き過ぎた雰囲気が醸成されていた米国内に単身乗り込み、答弁をされた訳ですから豊田社長は素晴らしいと私は考えています。(因みに私はトヨタ系企業の何の仕事をしている訳でもなく、トヨタの自動車も乗っていません。即ち、利害関係があるからトヨタの社長に対して敬意を表明している訳ではなく、純粋に勇気ある行動であると思っています。)

多分、現状の事態を打開するためには、社長自らが米国議会に乗り込み説明をしない限り解決の糸口が見出せないと判断されたものと思います。

米国の行き過ぎた対応

ここで、私の気持ちとしては「百歩譲って」、豊田社長が米国議会へ出席されたのは仕方ないとしても、問題はここから先、米国はトヨタ自動車に対する矛を収めず、次には、

「米国司法界に於いて、こともあろうにこの段階から、刑事罰を示唆する法廷出廷をトヨタ自動車に対して要請する。」

といった事態が見られており、これを私は世界の中核国たる米国らしからぬ行き過ぎた対応であると考えています。

話の筋は異なりますが、例えば、

「日本側から見るとレイプ事件を起こしたに間違いない沖縄の米国人駐屯兵士を米国人は日本の司法に委ねますか?

委ねないでしょう。

それは法的には日米地位協定というものがあるからですが、米国がその協定を提携した背景には、感情的となっている日本国内を意識し、冷静な司法判断が出来ない可能性がある日本の司法に米国人を委ねることは出来ないとの意思から、この協定を日本に受け入れさせたのです。」

とも言え、こうした視点からすれば、逆の状況となっている、即ち、感情論が先に立っていると私たち日本人から見れば思われる米国国内の状況を判断、ことここに至っては、私は日本政府が、日本国民・日本企業の生命・財産を守る上からも、そしてまた、米国人から見れば、たとえ「屁理屈」と言われようが、現段階に於いて、トヨタ自動車の日本人の方々を米国司法界に出席させることを断固として、拒否するべきであり、それは総理大臣他が行うべきであると、私は強く、強く思います。

もしも、私が総理大臣・国土交通大臣・法務大臣であったなら

そして、更にこれだけでは事態の解決にならぬことから、私が総理大臣、国土交通大臣、法務大臣であれば、日本政界の中にいる、

「私は親米派」

と誇っている議員たちの力も借りながら、本件の問題解決のいわゆる、「落とし所」を見つけるために奔走すると共に、その一方で、万一、米国との関係が悪化、即ち、事態が悪化した場合、或いは事態をむしろ無事に早期に解決するために、トヨタが三億人の米国市場を相当程度失っても、国際市場で生きていけるように、親中派、親露派、親印派や中東、アフリカにも力が及ぶ議員の力を借りながら、トヨタのみならず、日本のものづくり企業の製造した製品が米国以外の市場できちんと売れていくように、今すぐに経済外交的動きを示し、国際社会でのバランスを取るように努力をすると思います。

私はそうした日本の政治家の出現を強く期待し、そして、その上で、

「世界との真の共存共栄が出来る日本国の建設のために頑張ってくれる議員の出現」

を真に期待します。

皆様方はどのようにお考えになられますか?

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