専門家コラムColumn

業務効率化推進の一環としてのRPA導入

2020.03.26

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 最近は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少という問題に直面しており、「働き方改革」が推進されています。業務の効率化や生産性の向上を目的に、AIやIoTを活用するという話はよく耳にしますが、これまで、私のAIに対するイメージは、音声認識機能があるロボットが会話もできて、仕事を効率化できるツールなんだろうという漠然とした認識でしたが、これですと、実際の私の職場での活用シーンがなかなか浮かんできませんでした。

 そんな中、私の職場でも業務効率化を進めていくという機運が高まり、RPAを導入することになりました。RPAはRobotic Process Automationの略で、人に代わって作業のシナリオプログラムを実行してくれるソフトウエアです。人ではないので、24時間文句も言わない優秀な社員です。指示どおりに動いてくれるので、定型業務や単純作業に適しているといわれています。RPAと人工知能を持つAIの2つの技術が組み合わされることで、日々の業務を大きく効率化することができるといわれており、私にとって敷居の高いAIよりも、まずRPAを導入し業務の効率化を進めることとしました。

 結果、現在日々の業務においてRPAを導入し、活用しています。RPAを実際に使ってみたメリットとデメリットが見えてきましたので以下に記載してみます。

メリット

◆作業時間の削減

 設定されたことを機械的に淡々とこなしてくれるので、作業時間の削減が可能となりました。実際にRPAを導入した業務において、以前は人の手で10分程度かかっていたものが、RPA導入後は5分程度に短縮しました。実際にはRPA稼動中は放置できるので、以前の10分の作業時間が丸々空く計算になります。たった10分ではありますが、月に20日間の業務とすると10分×20日=200分が空くことになるので、効果は思いのほか大きいと感じます。

◆人為的ミスの削減

 設定されたことを機械的に確実にこなしてくれるので、人為的ミスが起こるリスクがありません。作成物の確認作業の時間も大幅に短縮することが可能になりました。


デメリット

◆導入までの準備に非常に時間がかかる

 私はRPA初心者からのスタートでした。分厚い取扱説明書を読み、何も判らない中で研修を受けたりしましたが、RPAの基本的な機能を理解するのに非常に苦心しました。本業の片手間でRPAに触るイメージで進めざるを得なかったため、RPAに割ける時間は非常に限られていました。実際に、RPAを触り始めてから、シナリオを作成し業務に取り込むまでに2ヶ月ほどかかりました。
また、どの業務にRPAを適用できるかを精査する必要があったため、実際の業務内容全ての棚卸をして精査する必要がありました。この精査にも数日の時間を要すこととなり、導入まで非常に時間がかかりました。

◆融通が利かない

 メリットの部分で、設定されたことを機械的に確実にこなしてくれると言いましたが、言い換えると「設定されたこと以外は対応してくれない」ということになります。シナリオに設定されていないイレギュラーな事象が起こると、エラーを表示し、しっかりと停止します。良くも悪くも、シナリオに忠実です。また、PC環境に依存する側面が強く、シナリオを作成した端末以外での動作について非常に脆く、汎用性という部分に難点があると感じています。

◆メンテナンス

 作成したシナリオは、エラーが表示された際、または定期的に機能の追加、修正等のメンテナンスが必要になります。そのメンテナンスをできるのがシナリオ作成者に限られています。業務を自動化するために導入したRPAですが、何かトラブルがあった時に対応できる人が限定されてしまう部分があり、属人化している現状があります。

まとめ

 以上の内容から、RPAを導入すると、トータルコストの削減と少子化による労働力不足に対応できるので、メリット効果は大きいと言えるのではないでしょうか。現状はまだ、RPAのごく一部の機能しか使用できていないため、適用する範囲がかなり限られている中で、業務時間の短縮と人為的ミスの削減を実現できています。まだ自分が気づけていない大きな可能性がRPAにはあると期待を持っています。

今回のRPA導入において、自身の業務内容を精査できた部分も大きかったと感じています。自身の時間の使い方を見直すきっかけになったため、今後はRPAの学習により多くの時間を割いて、よりRPAの知識とAIについての知識を深めていきたいと思います。

AI 日記

AI LABO 客員研究員

AIにかかわる様々な気づきや出来事をAI LABO研究員がレポート