The 対談

「“本当にやりたい”をみつける仕事」女性のキャリアアップを考える対談

「“本当にやりたい”をみつける仕事」女性のキャリアアップを考える対談

企業役員のコーチングをおこなっている株式会社コーチ・エィ エグゼクティブコーチ 西郷真理子氏と、当社 執行役員 広報・秘書部長 安達あけるが、女性のキャリアアップについて語りました。

◆掲載日: 2016年1月29日

安達 はじめにご自身の経歴と、今の会社に入ったきっかけを教えていただけますか?

interview16_01.jpg西郷 幼児期から高校に入るまで海外で過ごしました。両親が金融の仕事をしていたので、そのほかの仕事に就くということは想像できなかったのと、英語を活かしてグローバルな仕事がしたいと考えていました。就職先として外資系証券会社を選んだのですが、1番の決め手は、女性がイキイキと働いていたからです。
前職での最後の2年間は、香港とシンガポールに駐在していました。結婚直後に海外赴任の話があり、20代半ばでしたので、いろいろとチャレンジしたいと思い、赴任を決めました。仕事の内容は、アジア圏内のいくつかの部署をまわり、社内コンサルをするというものでしたが、とても濃い、学びの多い2年間となりました。
初めの赴任先は、香港のクライアント・オンボーディングチーム(顧客審査をおこなう部署)で、チームが抱えている課題を解決するのがミッションでした。当時の上司は、28歳の女性の香港人の方で、今思えばコーチ型リーダーのマネージャーでした。その方が、私のことを短期間で育ててくれ、その時に「“できる人”“できない人”がいるのではなく、環境や関わる人によって能力が発揮されたり、されなかったりするんだ」ということを体感しました。 その後、シンガポールに異動し、よりグローバルなプロジェクトをおこなうチームに入りましたが、なかなかうまくいかず、友人に相談したところ「コーチをつけてみたらどうか?」と提案されました。当時はコーチングを知りませんでしたが、コーチとの2週間に1回の対話を通して、2カ月くらい経った頃からうまくいかなかった部署との関係性が良くなり、期限内にプロジェクトを終えることができました。これがきっかけで、コーチングの可能性を感じ、いずれはコーチのような仕事をしてみたいと思うようになりました。
2年の任期を終えて日本に戻った際「あなたの雰囲気に合う会社がありますよ」と言われて紹介されたのが、コーチ・エィでした。当時はコーチングを生業にして会社が成り立つなんて思ってもいませんでしたが、直感的に「この仕事をやってみたい」と思い、2008年に転職しました。

interview16_02.jpg 安達 外資系企業でのグローバルな経験とそこで出会った方々のフォローもあり、強い意志をもって今の会社に就いたのですね。では具体的にコーチ・エィでは、どのようなお仕事をされているのか教えていただけますか?

西郷 「エグゼクティブコーチ」という立場で、経営層の方々を対象にコーチをしています。コーチングとは、クライアントのやりたいことを対話を通して明確にし、ゴールやビジョンの達成を早めるプロセスです。たとえば「次世代リーダーの育成」というテーマで社長候補の育成に力を入れている会社があります。そこで私は、社長候補のお一人をコーチしています。初めは「偉くなりたくてこのポジションについたわけではない」とか「経営者にはあまり興味がない」とおっしゃっていましたが、3回目のセッションのあたりで「この会社が全世界で知られるようになるために、さらに良くしたい」となり、最終的には「自分が正しいと思うことをやるために、社長になりたい」とまでおっしゃるようになりました。今は、そのビジョンを実現するため、またご自身の組織の能力をさらに高めるために、スキルアップに取り組んでいらっしゃいます。

安達 コーチとして大切にしているものは何ですか?

interview16_03.jpg西郷 「相手の方が本当にやりたいことは何か」を大切にしています。さまざまな角度から質問を繰り返すなかで、コーチを受ける本人が腹の底から出てくる自分の想いに気づいた時に、クライアントの意識や行動が変化していくと思っています。
自分自身も「心と体の声を聞く」ことを大切にしています。「自分は何をやりたいのか?」「何をしていると幸せなのか?」などを問い続けています。環境や年齢により、答えは日々変化していきますが、それも自分だと受け止める。その場その場で自分が感じていることを大切にしています。
ただ、20代後半でコーチ・エィに入ってからの1年半は、上司や周囲からのフィードバックにボロボロでした。空回りして人に迷惑をかけ、自分自身の不甲斐なさに毎日のように泣いていました。前職の外資系証券会社とのカルチャーの違いも大きかったと思います。そんな私にも上司や周囲は、諦めずに関わり続け、そのおかげで今の自分があると思っています。
仕事が楽しいと思えるきっかけとなったのは、あるお客さまとの出会いでした。大手の外資系企業で、社長と役員全員にコーチをつけるというプロジェクトを任されました。このプロジェクトを通して、役員の方々の変化を目の当たりにしてから、仕事が面白くなりました。

安達 これまでの経験を踏まえ、キャリアアップの考え方を教えてください。

西郷 20代始めは空回りしながらもとにかく一生懸命やってきました。そして、いつも「本当にやりたいことは何か?」「死ぬ時に後悔しないのか?」「何をするとワクワクするのか?」など、自分が本当にやりたいことを妥協せずに考えてきました。社会人になって5年かけて今の仕事を見つけ、今ではお婆ちゃんになってもコーチをやりたいと思っています。自分のワクワクを追求し挑戦し続ければ、自然とキャリアアップにつながるのではないかと思います。

安達 お婆ちゃんになってもやってみたいなんて、素敵な仕事を見つけましたね。羨ましいです。では最後に、女性へのメッセージをお願いします。

西郷 まずは「自分を大切にする」ことだと思います。仕事にのめり込んで、ボロボロになるまで働いて、自分の限界を知る時期も大切かと思います。ただ、どんな時も自分が何をやりたいのか、どのような人生を歩みたいのか。たぶんすぐに答えは出てこないものだと思いますが、ずっと問い続けることで、やりたいことに出会えるのではないでしょうか。

安達 本日はありがとうございました。

 

【対談を終えて】
interview16-04.jpg 自分をよく知ることによって、自分は何ができるのか、自分のやりたいことは何なのか、妥協せず常に追及して、その確固たる結果を出したうえで選んだのが現在のお仕事ですね。旦那さまのご理解とご協力もあって、素晴らしい仕事観と人生観を持っていらっしゃると感じました。でも、実は苦労や悩んだことも多かったのですね。 西郷さんは自分の心の声を大切にし、ワクワクし、キラキラと語ってくれました。その姿を見て、私自身もコーチを受けている気分になりました。コーチってマジックですね!(安達)

 

 


今回の取材にご協力いただいた
株式会社コーチ・エィ エグゼクティブコーチ 西郷真理子氏のプロフィール
慶應義塾大学 法学部政治学科を卒業後、JPモルガン証券株式会社東京支店に入社。
外国債券業務部に所属し、その後、JPモルガン銀行の香港支店とシンガポール支店でプロジェクト・マネージャーを数年担当する。
2008年8月に、コーチ・エィに入社。金融業界でのバックグラウンドと、バイリンガルであることを活かし、外資系大手企業における組織変革型のシステミック・コーチングを広く担当、現在に至る。
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