The 対談

「自分のやりたいことを流れにのって」働く男のこだわりを考える対談

「自分のやりたいことを流れにのって」働く男のこだわりを考える対談

テクマトリックス株式会社 執行役員 カスタムメイドソリューション事業部長 窪伸一郎氏と、当社 執行役員 アカウント営業本部長 清水祐昭が、働く男のこだわりについて語り合いました。

◆掲載日:2016年4月28日

清水 この4月、さまざまな企業で入社式がおこなわれ、当社でも新入社員が入ってきました。私は当社に就職して今年で17年目となりますが、窪さんとの出会いは入社後間もない頃だったと記憶していますが…。
 
f306b27ed8fcc095deb9dafe470f9dd5377f0355.jpg 今から15年前の2002年頃と思います。その時私は当時の主要取引先の一社より事業拡大に伴うサポート体制の構築を依頼されていました。パートナーやエンドユーザーから入る問い合わせ対応としてヘルプデスク業務を推進するチームを新たに立ち上げる時、当時コールセンターを運営していた貴社の紹介を受けたのが始まりでした。その事業の立ち上げの際は、主に人材の供給をおこなってもらいましたが、その後、ヘルプデスクの全運営を貴社に切り替えた時に清水さんが担当となり、それからのお付き合いだと思います。
 
清水 10名ほどのセンターの人材供給から始まりましたが、高度な品質やオペレーションが求められ、非常に難しい業務だったことを覚えています。当時のコアメンバーの多くは現在もキューアンドエーグループの中心で活躍しており、当社の礎になった案件でもありました。ところで、社会人スタートは商社と伺っていますが、入社から現在の会社へ転職された経緯などを聞かせてください。
 
 理系の大学を卒業後、総合商社のニチメン(現 双日)に入社しました。理系ではあったのですが、研究や開発よりもビジネスがしたいという想いが強かったので、いろいろなことがチャレンジできそうな商社に決めました。配属志望はプラントだったのですが、大学で「人工知能」を卒論テーマにしていたこともあり、情報・通信関係を扱う部門に配属されました。その時の先輩であり上司が現在の社長になります。
当時私の部署では非常に専門的な製品を取り扱っており、お客さまのほとんどは企業や大学の研究所でした。大学は理系でしたがしょせん学生レベルの知識ですし、専門家を納得させて製品を売るための知識・経験が圧倒的に不足していたので、入社後すぐにあるSI会社に2年間出向しエンジニアとしてシステム開発や技術取得の機会をもらいました。会社としても技術がわからないとセールスはできないという考えからです。
2年間の修行後、実働部隊のニチメンデータシステムに戻って営業としてスタートしたのですが、その会社が現在のテクマトリックスです。ですから実は、私は一回も転職はしていないことになります。
 
清水 そうだったのですか。そのような経歴だと、今の会社は身体の一部のようなものですね。社風はどのような感じですか?
 
 今の会社にも商社ポリシーが入っており、社風は基本「何をやってもいい」です。ですので、トップダウンというよりは、ボトムアップのオペレーションになっています。そのような意味からも、いろいろな事業を立ち上げて動いてきた経緯があります。
 
清水 自由な社風という感じですね。ところで、これまで執行役員や子会社の社長などを歴任されたと伺っていますが、自身でそこを目指すというようなキャリアップの意識はありましたか?
 
 そういう意識はほとんどありませんでした。今の主管事業部を立ち上げた時は少人数でのスタートでベンチャーみたない組織でしたが、初期から関わっていたので、ヒエラルキー的にいえば、組織の下から登ってきた感覚があまりありません。執行役員制度も立ち上げから入っていましたので、その際もキャリア意識はありませんでした。少し肩書きが変わったという意識だけです。ただ間違いなく責任の範囲と重さは大きくなっていますし、社員からは目標にされる立場にあると思うので、これからはもう少し意識を強く持ちたいと思いますが…。
 
DSCF1021.jpg清水 会社を創り上げてきたトップランナーだったのですね。ただ経営のトップを目指すには、また違うことだと思いますが…そこはいかがでしょう?
 
 「経営トップ」というか組織のトップを目指す理由はいろいろあると思います。より高い役割を目指す人もいれば、より高給を目指すため、ステイタスとして目指す人もいるかもしれません。トップになったらやりたいことができるかというと、決してそうでなく、制約の多い立場になってきますよね。そうであれば、もし自分のやりたいことがあってそのためにトップを目指すのであれば、起業した方が早道かもしれません。組織でトップを目指す人と起業を目指す人とを比べると、今の若い人のトレンドは、起業の方が多いように感じます。それは、現代において発想としては悪くはない選択だと思いますが、ただ明確な目的とモチベーションを持っていないと苦労する気はしますね。
 
清水 高額の給与をもらえるようになれば、その分税金も多くなり、結果は大してかわりません。なので、お金はモチベーションにならないと思います。おっしゃる通りで、サラリーマン社会で上にいくモチベーションって何でしょうね。ポジションという明確なものは自分にもない感じです。
 
 ですので、私はそこにモチベーションを感じたことはあまりありません。一番大事なのは、自分がやりたいことができて、しっかり結果が出せる環境だと思います。「上司は選べない」という人もいますが、私は、上司こそ自分で選ぶべきだと思います。私にとって信頼できる上司の定義は、挑戦させてくれて、ピンチの時に必ず助けてくれる人です。少し身勝手かもしれませんが、自分の好きなことをやって、失敗したらその対応をしてくれる。そうすると、楽しく仕事もでき、モチベーションも上ると思います。
 
清水 ビジネスに対する姿勢についてお聞きしたのですが、仕事をする上で大切にしているものはありますか?
 
 どんな仕事をやっていても自分には嘘をつきたくありません。お客さまに対しても正直でありたいと思います。たとえ儲かる仕事でも、その仕事が社会的にどうかと考えた時に納得できなければ、その仕事はやりたくないですし、胸を張って人に説明できる仕事をやりたいと思っています。
 
清水 私は細かな事務業務をする上でも、常にトップランナーであり続けたいと思っています。これは昔からの性分なのですが、資料作りや社内申請を上げるなどの細かな業務は、まずは自分がやって業務のエキスパートになりたいと思ってます。そうするとむやみに部下に任せるのではなく、能力や仕事量を測った上で、最終的に依頼する判断を肌感覚でできるようになりました。そうすると部下も安心するのではないかと思います。
 
 先ほど「上司は自分で選ぶべき」と言いましたが、理想の上司は、そういう人だと思います。つまり自分よりも凄い人。そのような人を見つけて、凄いことを自ら学ぶことだと思います。ですから、上司も常にプレッシャーを感じていなくては駄目で、あぐらをかいたらおしまいだと思います。
 
清水 部下を大切にし、仕事一筋のように思えるのですが、やはりオフも仕事の延長で過ごしているのですか?
 
e3ecc71bb54a3b34da9342ff4d8b0476966ba7d4.jpg いえ、その逆です。オフは会社とは離れたプライベートな時間を大切にしています。趣味のゴルフやスキーの仲間や、行きつけの飲み屋で知り合った仲間など、まったく異なるコミュニティの仲間と付き合う時間を大事にしています。ハイパーレスキューの隊長がいたり、映画のプロデューサーがいたり、弁護士がいたり、企業の社長がいたりするのですが、ノリ的には「釣りバカ日誌」の映画のような世界で、普段の仕事では絶対に接点を持つことのない仲間と話せることが非常に楽しいですし、勉強にも刺激にもなります。完全に仕事から離れたところに身を置いて、利害関係のない人達と付き合いたいと思っています。
 
清水 仕事とは違う環境に身おいて、コミュニティの場を大事にするということが窪さんの人生感であり、オンオフを切り替える。まさに「窪スタイル」といった感じですね。
 
 できる限り大事にしていることは、飲みの場でも約束したことは絶対に守るようにしています。これはビジネスにおいても言えるのですが、約束を守ることで次に繋がっていきますよね。それには結構パワーを使うのですが、さまざまな価値や普段学ぶことのできないようなことを教わったりできるので「今度飲もう」という約束は大切ですね。
 
清水 確かに人との繋がりは大事なことですよね。最終的には人生の「財産」になるものだと思います。では、これまでの話を踏まえ、ずばり!会社を生き抜くためのポリシーは?
 
 僕のポリシーは「流れにのってけ」です。ある人生の分岐点で悩んでる時、何となく人から声をかけてもらったり進むべき方向のアドバイスをもらったりすることがあると思うのですが、それ自体が啓示だと思い、自分が自然体となり、難しく考えるより素直に流れに乗っていくことが重要なことだと思います。そうすると結果的にうまくいく感じがします。
 
清水 いろいろな場面で常に物事を白黒はっきりつけたがる人もいますが、それには共感をもちませんね。私もさまざまな経験をしてきましたが、その時々に決断するというよりは気付いていたら今の自分があり、窪さんのおっしゃる通り、私も素直に流れにのってきた気がします。最後に、若い人たちへメッセージをお願いします。
 
 ぜひ、いろいろなことに「チャレンジして欲しい」と思います。そして、若い時は「いっぱい失敗して欲しい」と思います。失敗の中に成功がある、失敗しないと絶対伸びないと思います。若くして起業することも素晴らしいと思いますが、就職するか起業するか悩んでいる時は、就職して会社を利用するという考えもありだと思います。本当にやりたいことがあれば応援してくれる会社も多いと思いますし、例えば社内ベンチャーという制度があれば、最大限に利用するのも良いでしょう。失敗を恐れず挑戦して欲しい。この一言に尽きます。
 
清水 日々目の前にあることをすべてチャレンジと捉える。この積み重ねにより、必然的にマイスターになっていく自分があり、匠の技が身についていくのだと思います。良い教訓をいただきました。貴重なお話、ありがとうございました。
 
 
【対談を終えて】
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業界の中で常にトップランナーのテクマトリックス株式会社は当社の目標でもありました。そのような中で窪さんは公私共に兄貴分のような存在で、今回の対談で普段は話さないような会話ができたことは非常に有意義でした。今後も目標となるような素敵な兄貴分でい続けていただきたいなと思いつつ、この続きは居酒屋で語り合っていきたいと思います。(清水)

 
 

今回の取材にご協力いただいた
テクマトリックス株式会社 執行役員 カスタムメイドソリューション事業部長 窪伸一郎氏のプロフィール
  • 早稲田大学 理工学部を卒業後、1990年にニチメン株式会社(現 双日株式会社)に入社。
  • 1992年よりニチメンデータシステム株式会社(現 テクマトリックス株式会社)に出向し、海外ソフトウェアの輸入・販売業務に従事。
  • 2000年にテクマトリックス株式会社に入社し、2005年よりカスタムメイドソリューション事業部長としてWebシステム・金融向けシステムなどの企画・開発を担当、現在に至る。
◆テクマトリックス株式会社