2023.12.22

活動・取り組み宮城県(仙台・南三陸)

第二回「キューアンドエー未来へつなぐ杜」保育活動に参加してきました

宮城県が進める2011年の大震災で失われた海岸防災林の再生プロジェクト「みやぎグリーンコーストプロジェクト」。キューアンドエーはこのプロジェクトに賛同し、2023年1月より、当社のサテライトセンターがある南三陸町で約0.3haのクロマツの海岸防災林の管理を始め、この地を「キューアンドエー 未来へつなぐ杜」と名付けています。

今年7月の第1回目の保育(除草)活動に続いて、当社従業員とそのご家族の参加型ボランティア活動の第二回目のツアーが開催されました。

今回は、この活動の体験レポートです。


■「キューアンドエー 未来へつなぐ杜」へGO!

第二回目のツアーは2023年11月25日、強い寒波が東北に押し寄せる天気予報でしたが、晴天に恵まれた日で、今回のボランディア有志は小学生を含めた総勢20名の参加者が仙台駅のバスターミナルに集合しました。ただ強い寒波の影響により、朝の気温が6度という一桁台。お昼の予報でも気温10度という寒い中での作業となるようですが、参加の皆さんは、元気よくツアーの貸し切りバスに乗り込み、定刻通り仙台駅から南三陸へ出発しました。

高速道路で南三陸町へ向かった車窓からは、秋めいた景色で、道中は1時間半のピクニック気分の時間を味わいました。ただし気分はここまで。事前に聞いていた重労働な保育作業の始まりです。

■保育作業開始!

「キューアンドエー 未来へつなぐ杜」に植樹した木は、クロマツです。到着して休憩のないまま、すぐに森林保育ボランディアのインストラクターさんから保育作業に関する説明があり、3チームに分かれ、チームごと一人ひとりに、小さなノコギリを配布されて作業がスタートしました。

今回の保育作業は、次の通りです。

①クロマツの下枝切り・・植樹して数年が経っているで、下枝が枯れている木がほとんどで上部に栄養がいくようにノコギリで枝を切っていきます。

 

②クロマツ周辺の雑草除去・・当然、クロマツの周辺には、他の雑草も生えています。これをノコギリで根元から除去していきます。

③ クズの蔓(つる)取り・・クロマツに絡みついている、つる性植物のクズの除去です。つるは2mぐらいも伸びて高いところのマツを締め付けているのでこれを手で取り除いていきます。

作業中時折、小雪が舞う時間もありましたが、汗をかきながらの約1時間半はあっという間の作業でした。広大な作業場に夢中になって活動をおこなった作業後の様子は、あたり一面すっきりとした景色に、参加者の充実感や達成感を共有することができました。と同時に、どれほど雑草が生えていたか、この作業を通じてよ~くわかりました。

特に苦労したのは、地元インストラクターが「デビル(悪魔)のつる」と称する、クズの蔓(つる)を取り除く作業です。その太いつるが、まるでプロレスの4の字固めのようにクロマツに絡みつき、マツの枝を締め付けて成長しているのです。このままほっておくと、当然、マツは窒息死して枯れてしまいます。やはり、そこには人間の手が必要ということがよくわかりました。この作業を通じて、杜の保育活動の重要性をあらためて感じた活動でした。

■道の駅さんさん南三陸にて昼食

活動後は、東日本大震災後にオープンし、今は南三陸町で人気の観光スポットである「駅の道さんさん南三陸」に移動して、昼食を兼ねた休憩時間です。昼食は、地元でとれた海鮮丼を食べましたが、なんとネタの新鮮なこと。作業後、海の町で食べる食事は、本当においしいものでした。ちょっとしたご褒美でした。

食事後、自由時間があったので道の駅に隣接する建築家・隈研吾氏がデザイン設計の東日本大震災伝承館「南三陸311メモリアル」や南三陸町震災復興祈念公園に足を運びました。震災の犠牲者を追悼し、記憶や教訓を継承するとともに、復興を祈念する場として整備されたエリアはとても静かで、時間(とき)を忘れてしまう場でした。
また伝承館では、町民の証言を基にした、震災の体験を知ることのできる施設・防災について考える場として、震災の出来事を絶やさない施設としてぜひ、見て頂きたい施設です。

 

■南三陸ワイナリーを見学

ツアー最後の時間は、震災復興の目的で地場産業の活性化のため起業された「南三陸ワイナリー」を見学してきました。南三陸の海と山の自然サイクルで生まれる食材を利用し、またワインは、すべて製造を手作業で行っている醸造棟設備を間近で観て新たな産業の芽生えを感じました。

■参加者4組の充実感のある代表のこえです。

・小学生の娘さんと参加した女性社員のこえ
「震災後に生まれた娘と一緒に参加しました。娘は震災の地を見ることや、このようなボランティア活動は初めての参加だったので、これからの娘の成長に欠かせない機会と思い参加しました。保育活動もケガなく、また楽しくできて、とてもいい経験ができた一日でした。」

・南三陸勤務で初めて参加の男性社員のこえ
「防災林であるクロマツの景観を美しく保つための活動に参加し、やりがいと楽しさに触れることができる貴重な機会に、想像以上に「トライしてよかった!」と感じました!また、インストラクターである森林組合の方々からのご指導もあり、初心者でも簡単に作業できることから、次は誰かを誘って参加してみようと思います^^」

・初めて参加した当社女性社員のこえ
「活動が終わったあとは、「もっとやりたかった」「次回もまた参加したい」という気持ちが沸いていました。震災当時から同じ県内にいながらも復興活動に参加したことはなく、この「みやぎグリーンコーストプロジェクト」への参加を通じて12年目にして微力ながら復興活動に携われたことは、とても意義があることと感じています。年2回という限られた活動ですが、是非ほかのスタッフにも参加してほしいと思うとともに、私自身も継続して参加したいと思いました。」

・前回参加の当社男性社員のこえ
「2回目の参加でしたが、前回つる切りを行ったにも関わらず、この数ヶ月間で松を覆うように蔓が巻き付いており、光が当たらないことで枯れてしまった松もあった。松は屈強なイメージでいたが、これほどの手入れがあってはじめて松林ができるのかと驚きを感じたとともに、改めて保全活動の意義と重要性を感じました。最後は作業時間が足りないと感じるほど充実感に満ちており、作業終了の合図が出ても手を止めるのをためらうほど有意義な時間を過ごすことができました。」

 

■最後に・・・保育活動は、継続していくことが大事

わたしは今回初めてこのツアーに参加し、12年前に被災した地に初めて足を運びましたが、町を変えてしまうほどの、当時の津波の恐ろしさをあらためて感じたと当時に、復興の場で力強く生きる方々の逞しさを肌で感じた地でした。

またクロマツの除草作業は、クロマツの保育として欠かせない作業であり、協定地での作業はこれからも継続していかなければなりません。この継続が積み重ねとなり、防災林として役割を果たす杜になっていきます。
今回の活動を通じて、海岸防災林のメンテナンスの重要性を深く理解できました。
今後も「キューアンドエー未来へつなぐ杜」の取り組みが地域貢献につながるよう、従業員と共に防災林の保育活動を続けていきたいと思います。
追伸:本ツアーを実行された事務局メンバーの方々、大変お疲れ様でした。とても有意義な時間を過ごすことができました。また来年も参加したと思います。

 


☆本記事は、広報部 H.Tが担当いたしました。

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